キノコはふたつの異なる胞子を発芽させ、そこから発生した菌同士を交配させることによって、私たちが知っているような姿へと発育していきます。そして、その元となるふたつの菌の組み合わせによって、最終的なカタチや大きさ、味などが変わってくるのです。
ならば、「大きなシイタケをつくるには、この組み合わせ!」「美味しいシイタケには、これ!」といった風に、商品特性に合わせたタネ(ふたつの菌を組み合わせた種菌)を用意し、それを使えばいいのでは?…と考えがちですが、現実はそうはうまくいきません。
というのも、たとえ同じ種菌を使っても、それが以前に栽培したものとまったく同じ特性を持ったキノコに育つとは限らないのです。それには微妙な栽培環境の違いや元となる種菌そのものが時間とともに変異してしまうことなどが影響するようです。
そんな気まぐれなモノ(?)を育てている私たちは、その“デキ”がなるべく安定するように、菌の組み合わせや、どんな培地(シイタケの菌を植える場所)で、どんな環境の中で育てたら良いのかなどを独自に研究する必要があります。
そのため、私たちは10年ほど前に専用の研究所を立ち上げ、現在に至るまで、数え切れないほどの研究をおこなっています。良くも悪くも、自分たちの想像を超えたようなモノができあがることも珍しくありません。ですが、そんな奥深い(思い通りにならない)ところがキノコづくりのおもしろさでもあるのです。
このような試行錯誤(=研究開発)の毎日が、私たちの高品質な(美味しい)キノコづくりには欠かせないのです。
私たちのさらなる研究成果が現れた、新たなキノコの誕生にもご期待ください!